「おうさま」だっけ、「おおさま」だっけ。
読むときは迷わず「おーさま」と言えるのに、いざ書こうとすると鉛筆が止まる。
音読カードや日記になると、そのたびに表記がゆれる。心当たりはありませんか。
のばす音(長音)は、聞こえる音と書く文字がずれる数少ない単元です。
「え」とのばす音は「い」と書き、「お」とのばす音はたいてい「う」と書く。
この対応は耳だけでは決められないので、大人でもたまに使う言葉だと迷うことがあります。
このプリントは、その道のりを2つのステップに分けました。
まずはなぞり書きで音と文字をつなぎ、次に自分で選んで書く。1枚5分ほどで終わる分量です。
今のお子さまに合いそうなステップから、気軽に始めてみてください。
のばすおと プリント
ステップ① なぞって おぼえる


ステップ② えらんで かく


のばすおとを 書きわける 前に 知っておきたいこと

このプリントは2つのステップでできています。
ステップ①は、うすい文字をなぞりながら「のばす音がどこに入るか」に気づくための練習です。
まだ自分で判断する必要はなく、手を動かしながら音と文字の並びを目に入れていきます。
ステップ②では、上部の「長音のきまり」を見ながら丸をつけ、そのあと自分で書きます。
判断してから書くまでの距離を短くして、迷ったらすぐ確認に戻れる作りです。
秋のことばを題材にしているので、季節の話をしながら取り組むこともできます。
のばす音で手が止まるのには、はっきりした理由があります。
ひらがなの多くは「聞こえた音をそのまま書く」で通用しますが、長音だけはそれが通じません。
耳では「おーきい」と聞こえているのに、書くときは「おおきい」。
音の情報だけでは答えが決まらないので、別のルールを思い出す必要があります。
このとき、頭の中では「音を保つ」「ルールを思い出す」「文字を書く」が同時に動いています。
作業記憶(ワーキングメモリ=短い間だけ情報を持っておく力)は低学年ではまだ育っている途中なので、同時に扱うものが増えるほど、どれかがこぼれます。
書けなかったのではなく、こぼれただけ、ということが少なくありません。
声かけは、正解を教えるより「どこを見ればいいか」を指すほうが伝わります。
「のばすところ、どこかな?」「上のきまり、いっしょに見てみようか」「読んでみて。なんてのばした?」。
書き終えたあとは「声に出して読んでみよう」と添えると、書いた文字と音がそろっているかを自分で確かめられます。
道具のほうを整えるのも、負担を減らす近道です。判断に力を使っているときに、鉛筆が持ちにくいと二重の負荷になります。
三角軸で芯のやわらかい鉛筆にすると、書くこと自体にかかる力が減ります。
迷った言葉だけを取り出して、大きく書いて見せたいときもあります。
小さなホワイトボードがあると、プリントから1語だけ抜き出して並べ直せます。
「おうさま」「おおきい」と並べて書くと、違いが目で見えるようになります。
同じ言葉で何度もつまずくようなら、その語だけをカードにしておく方法もあります。
ラミネートしておけば繰り返し使えて、朝の5分などに1枚ずつ確認できます。
ただし、生活空間に貼りっぱなしにするのはおすすめしません。
学習の時間と場所を決めて出すほうが、集中も続きます。
進め方の目安は、1日3語ほどです。
朝の学習で1語、宿題の前に2語。
まとめて10語やるより、日をまたいで少しずつ触れるほうが、思い出しやすさは残ります。
1枚全部やりきる必要はありません。
のばす音は、一度できたら終わりという単元ではありません。
しばらく使わない言葉は、大人でもあいまいになります。
だからこそ、間をあけて何度か戻ってこられる形にしてあります。
時間がたってから同じプリントを出しても、それは後戻りではなく、思い出すためのひと手間になります。
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今回のプリントとあわせて取り組んでみましょう!




